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- こどものアレルギー症状、乳児湿疹
こんな症状ありませんか?
- お子さまの顔やからだに赤いブツブツや湿疹がある
- 湿疹があるところをかゆがって掻いている
- 食べ物を食べた後に、じんましんや顔の腫れが出る
- 頻繁に咳込み、ゼーゼー・ヒューヒューという呼吸音がする
- くしゃみや鼻水、鼻づまりが続いている
- 目のかゆみや充血がある
- アレルギー疾患の家族歴がある
- 皮膚が乾燥してカサカサしている
- 夜、かゆみで眠れないことがある
- 離乳食の開始後に皮膚症状が悪化した
このような症状が見られる場合は、アレルギーの可能性があります。早期の適切な対応がアレルギーの進行を防ぐ鍵となりますので、お気軽にご相談ください。
小児アレルギーと「アレルギーマーチ」

アレルギー体質のお子さまは、年齢とともに様々なアレルギー疾患を発症することがあります。乳児期早期の乳児湿疹・アトピー性皮膚炎に始まり、食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎・花粉症へと進行する現象を「アレルギーマーチ」と呼びます。
すべてのお子さまがこの順序で発症するわけではありませんが、近年の研究では、乳児期の湿疹(皮膚バリア障害)がアレルギー反応のきっかけとなり、その後のアレルギーマーチに発展する可能性が指摘されています。そのため、乳児期の湿疹を適切に治療・予防することが非常に重要です。
乳児湿疹とアレルギーマーチの関係
生後3か月以下の乳児に見られる湿疹には、脂漏性湿疹、間擦疹、乾燥性皮膚炎など様々なタイプがあります。これらの背景に皮膚のバリア機能異常がある場合、免疫反応が誘発され、皮膚症状が重症化したり難治化したりすることがあります。
皮膚のバリア機能が低下した湿疹の部位に、環境中の卵白や小麦などのアレルゲンが付着すると、これらに対する特異的IgE抗体(アレルギー抗体)が体内で産生されやすくなります。乳児湿疹の治療が遅れるほど、食物アレルギーの発症率が高くなることが知られています。
また、食物アレルギーの発症は、幼児期以降の気管支喘息やアレルギー性鼻炎の発症とも関連していることから、乳児湿疹の適切な治療は将来のアレルギー疾患の予防にもつながります。
主なアレルギー疾患
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が長期間にわたって繰り返す慢性の皮膚疾患です。皮膚のバリア機能の低下と免疫反応の異常が関与しています。
症状
- かゆみを伴う湿疹
- 乳児期は頬や額など顔面に多く見られる
- 幼児期以降は関節の曲がる部分(肘の内側、膝の裏など)に多く見られる
- 皮膚の乾燥
治療
- スキンケア(保湿、入浴方法の工夫)
- 外用薬による治療(ステロイド外用薬、タクロリムス軟膏など)
- 悪化因子の除去(アレルゲン、汗、掻破など)
食物アレルギー
食物アレルギーは、特定の食物を摂取した後に、免疫学的機序を介して体に不利益な症状が現れる現象です。
症状
- 皮膚症状(じんましん、湿疹の悪化、顔面の腫れなど)
- 消化器症状(嘔吐、腹痛、下痢など)
- 呼吸器症状(咳、喘鳴、鼻炎など)
- アナフィラキシー(複数の臓器に症状が現れる重篤なアレルギー反応)
対応
- 原因食物の確定(問診、血液検査、食物経口負荷試験など)
- 必要最小限の原因食物の除去
- 症状出現時の適切な対応(抗ヒスタミン薬、エピネフリン自己注射薬など)
- 耐性獲得に向けた取り組み(経口免疫療法など)
気管支喘息
気管支喘息は、気道の慢性的な炎症により、繰り返し咳や喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)などの症状が現れる疾患です。
症状
- 咳(特に夜間や早朝に悪化)
- 喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音)
- 呼吸困難
- 胸部絞扼感
治療
- 長期管理薬(吸入ステロイド薬など)による気道炎症の抑制
- 発作時の対応(気管支拡張薬など)
- 環境整備(ダニ・ハウスダスト対策など)
- 運動や生活指導
医療法人もみじ会田崎医院のアレルギー診療について
当院では、お子さまのアレルギー症状に対して、科学的根拠に基づいた治療をご提供しています。乳児湿疹の早期治療からアレルギーマーチの予防まで、お一人ひとりのお子さまに合わせた診療を心がけています。
アレルギーは、適切な治療と管理によって症状の軽減や寛解が期待できる疾患です。
お子さまのアレルギー症状でお悩みの際は、早めにご相談ください。医師とご家族が力を合わせて、お子さまのアレルギーマーチの軽症化に向けて取り組みましょう。
乳児湿疹の治療方針
乳児湿疹の治療は、単に見た目の皮膚炎を改善するだけでなく、食物アレルギーの発症予防とその後のアレルギーマーチを視野に入れることが重要です。
- 湿疹による免疫反応の沈静化
- スキンケア指導
- 適切な薬物療法